Duke's Artistry/Duke Jordan Quartet
こんにちはYamataiです。
今年のレコードレビュー第一弾はデューク・ジョーダンの1978年のアルバム、Duke's Artistryです。Artsitryとは芸術的手腕、技巧を意味しますがタイトルに違わず彼の繊細で抑揚の効いた奏法、表現が堪能できるこうアルバムです。これは昨年6月にディスクユニオン、JazzTOKYO(御茶ノ水の明治大学のそばです)で購入しました。ジャケットに少しシミが点在していますが盤質はAでその評価に違わぬ良い状態です。
曲目は...
SIDE-1
1. Midnight Moonlight
2. My Heart Skips A Beat
3. Thinking Of You
SIDE-2
1. Lady Dingbat
2. Midnight Bump
3. Dodge City Roots
デューク以外のメンバーは...
アート・ファーマー(フルーゲルホーン)
デイヴィット・フリーゼン(ベース)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)
全曲デュークによりオリジナルと意欲的な作品です。ソングライターとしても素晴らしい才能の持ち主です。この完成度の高いアルバムですが裏面の解説ではアート・ファーマーが当日の夕刻のフライトで移動しなければならずタイトなスケジュールの中メンバーが集合して即座に演奏できるようなデュークの周到な準備により多くても最多でも2テイクでトータルで2時間で完成したそうです。まさに職人による芸術とも言える世界です。
元々はチャーリー・パーカーとの共演で有名となったバップ・ピアニストであり時代の流れに迎合せず長期間、不遇の時代が続きタクシー運転手、ホームレスであったこともあるそうです。しかしながら70年以降、デンマークでバップスタイルが再評価され彼も母国を捨て欧州に活躍の路を求めました。1972年から現地のレーベル、ステープルチェイスの専属契約となり何枚ものアルバムをヒットさせ完全復活。苦労をした分、端正で硬質な音色ですが温かみと優しさを感じます。それはむしろその人格によるものかもしれませんが(ジャケット写真からの勝手な推測です)
デューク・ジョーダンも日本では根強い人気がありますが意外や当人の情報は通り一辺倒のものが多く、例えば、実は喧嘩はめっぽう強くそこからデュークと命名されたとか... そういった情報が多い気がします... その波乱の人生など興味がつきませんが...
レコードはすでに数枚持っていますが名作、Flight To Denmarkなどは中々出会わず良い盤があれば是非欲しいものです。
このアルバムはやはり休みの日の午前中にゆっくり聞きたいアルバムの1枚であります。寒い冬の朝に家でぬくぬくして過ごしたい時なんかも良いかもしれません。