音楽の趣味(その2)
聴く音楽が急激にソフト路線に変更されたのが高校くらいからだった。
やはり時流の音楽、女子受けする音楽くらい聞いておかないとまずい...
デートの時に
”クラプトンのブルースの源流は... ” とか
"やっぱりポール・ロジャースのシャウト感はロバート・プラントのような派手さはないが自分はそちらが好きである... "
"ジャック・ブルースのクリーム以降のマイナー感はどうしたことか?やはり商業ベースに乗れない性格だったのか?”
とか話すことが、そのようなシチュエーションの中で相当に奇異であることぐらい理解していたのである。
そもそも音楽(特にブリティシュロック)を聴きこんだのが中学生と少しばかり背伸びしていた。
また聞いていた音楽もすでに古かった。フリー、フーとかのレコードとかは廃盤扱いだった。
確かにビートルズはとっくに解散していた。その頃80年はすでにパンクブームはほぼ終焉を迎えていた。
その時代から隔離されていた中学生の私はウッドストックに思いを馳せているくらい時代がずれてしまっていたのである。
よく仕事の打ち合わせ後の飲み屋さんとかで、ひとまわりくらい年上の人と音楽の話が合い、意気投合したりするが、結果怪しまれり、珍しがられたりもするのである。この人物年齢不詳であると思われたのだろう???
話を大きく戻すとソフト路線時代のヘビロテ(この言葉古い?)はやはりAORである。
AORとは大人向けのロックとでもいうのかAdult Orented Rockの略でボズ・スキャッグス、ボビー・コードウェル、ビル・ラバウンティ、ネッド・ドヒニー、エリック・カルメン、アル・ジャロウ、バリー・マニロー、ギルバート・オザリバン、山下達郎、稲垣潤一、山本達彦etc...
つまりかなりメローな音楽に定評あるアーティスト、音楽である。もちろんファンク、ジャズ、ブルース的なエッセンスのある曲もあるのだが私はひたすらメロー路線(つまりバラード系)の曲を聴きこんだ。
大学の頃はありえないドラマティクなデートのシチュエーションではこの曲だろう的な妄想にふけていたりもした。
この恋愛と音楽の深いつながりを独学で研究した時期が高校、大学の時期でした。オリジナルバラード集のテープはドライブの際、常に好評で、たまに注文も受けたりもした(単にダビングしてくれとと言われただけだけど)。
しかし調子に乗っていたのも時期、あるデート(珍しくどっかの美大の女子の方)で何か”眠くならない音楽かけてくんない?”とリクエストを受けた時...
ふと目が覚めた瞬間でした。
これ独りよがりだったんだなぁー、少年がまた一つ大人になった瞬間とも言える。
教訓1:音楽は個人で楽しむものです。
教訓2:価値観は瞬時に崩れることもある。