レコードをめぐる冒険 (Alone Together/Jim Hall - Ron Carter Duo)
こんにちはYamataiです。
やはりこのアルバム、避けて通れません。
ある意味前回紹介したレッド・ミッチェルとのデュオアルバムより聴きやすく選曲も有名スタンダード揃いであります。1972年の4月、ニューヨークのプレイボーイクラブでのライブの模様を収めたライブ盤ですがその録音状態が非常に良いこと... 観衆の拍手など後から入れているのではないかと思えるほど完成度の高い録音、また演奏なのが驚きです。
ライナーノーツによると...
この種の静かな演奏は一見スタジオ録音のほうがよく思えるが、いい聴衆を前にしてそのリアクションがプレイヤーに伝わることで演奏に一層の輝きを与えるものである...
納得であります。
ちなみにCDもだいぶ前に入手しておりましたが、あまりにも好きなアルバムだったのでいい状態のレコードを新宿のdisc unionで見つけた時は迷わず手に取っていました。今までよく聴きこまれた感じのものは見かけはしましたがなかなかチャンスがなかったとも言えます。このパターンで最近、アランフェス協奏曲、Undercurrentも買ってしまいました。
楽曲紹介です。
A
1. St. Thomas
2. Alone Together
3. Receipt, Please
4. I'll Remeber April
B
1. Softly As In A Morning Sunrise
2. Whose Blues
3. Prelude To Kiss
4. Autumn Leaves (枯葉)
A1はソニー・ロリンズのオリジナル、A3がロン・カーターのオリジナル、B2がジム・ホールとそれ以外は全てスタンダードと隙のない選曲であります。このライブ、今もし生で聴けたら... 悔いはありません、5万円くらいは払うかもしれません。
話は少しそれますが古めかしいライナーノーツに演奏者紹介としてジム・ホールのことが綴られていますが62年にアート・ファーマーとカルテットを結成し好評でありながらその当時がいちばん苦しかったと... ジムが語っているとの記述があります。ジム自身がアートの芸術を引き下げているような気がして... あまり口にしなかった酒の呷るように飲み作曲からも遠ざかった時期、身体もおかしくなり医者から酒を辞めれば治ると言われやめた...
ジム・ホール、やはりすごいのはそこで酒を断ちことができた... 変なことに感心していますが多くのジャズ、ロック系のプレーヤーが深刻なアルコール中毒でキャリアにダメージを与えるのとはちがい... 一線を越えない...
ちなみにアート・ファーマーとは6年後アルバムをリリース、その頃のジムの心境はどのようなものだったのか?興味深いです。
ジム・ホールの70年代はこのアルバムの他にもアランフェス協奏曲、コミットメント(
これはアート・ファーマー、ポール・デスモンド等参加の豪華アルバム)など名作をリリースし正に円熟期だったと...
それにしても1年早いものでAutumn Leave (枯れ葉)の季節が近づいてきました...
このペースで行くとあっという間におじさんです(すでに?)...