レコードをめぐる冒険 (Standard Coltrane/John Coltrane)
ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスからJAZZの魅力を知ったのは20年くらい前です。マイルズも加えてやはりビックネームの作品は今でも聞きます。しかしながらあまりあれこれ語るには気後れするというのが正直な所...
また彼らの作品、膨大にありまだまだ聞いていない作品も多かったりしますがコンプリートする意欲もさほどなく"そのうちに"と... ずいぶん不義理にもしております。
さてこのStandard Coltraneですがタイトルにあるような聞き慣れたスタンダード曲が10曲くらい、各3−4分くらいの聞きやすいスタンダード集だと思っていたら大間違いでいた。曲目は...
Side A
Don't Take Your Love From Me
I'll Get By
Side B
Spring Is Here
Invitation
たったの4曲、1曲でワンコインとちょっと...
ジャケットもローコストに抑えてないですかね...
参加メンバーは当時のマイルズのバックを務めたいたレッド・ガーランド、ポール・チェンバー、そしてJimmy Cobbがドラム、トランペット・フリューゲルホーンがウィルバー・ハーデンです。全体を通してコルトレーンを引き立てています。
このアルバム、Spring Is Hereを聞きたくて買ったようなもので以前のブログでも紹介しましたが... またこのレコード中古ではなく新品でアマゾンさんから購入、かなりの大枚をはたいてしましました。
そのSpring Is Hereテーマはそこそこに結構、激しいアドリブの応酬でバップなノリで大いに私の勝手な期待を裏切ってくれています。しかしこのころ(1958年)のコルトレーン、まだ荒削りでありますがある意味、抑揚のきいた取っつきやすいのも事実かもしれません。
このアルバムの中ではDon't Take Yuor Love From Meとスタンダードでもないと思える曲ですが... これが一番好きだったりします。最後のConfirmationも深い陰影を醸し出すむせび泣く様な音色が聞けますがやや冗長な気もします。
このアルバム、改めてタイトルに偽りありと感じますが一般的に評される絶頂期の手前の "シーツ・オブ・サウンド”を押し出す前の聴き手にとっては聞きやすいコルトレーンを堪能することができることに意義を感じています。残念なのは一曲一曲が長い... 多分コルトレーンという人、真面目なのでしょう... 全盛期の神格化された時代の作品はかなり難解な部分もあり、そこはかなり好き嫌いが分かれるところかもしれません...
皮肉なことに名盤、"Ballad"が人気なのはやはりそのテクニックではなく歌うコルトレーンが分かりやすく多くの人々の心を捉えたといことではないかと思ったりします。この"Ballad"と同じく58年にリリースされた"Soul Trane"はかなり聴き込みました。
おそらくはここら辺のコルトレーンが個人的には丁度良い塩梅なのかもしれません... ちょっとアドレナリンをあげて神の域に到達したコルトレーンにもチャレンジしたい気持ちもありますが... いつになるかは???
Jazz評論をされる方が有名プレーヤーを会社員で言えば... みたいな本がありましたが...
おそらくコルトレーンは上司にも部下にも持ちたくないタイプかもしれません。個人的にはマイルズみたいな上司とアート・ファーマーみたいな先輩が欲しいですかね...