May You Neverというクラプトンがカバーした曲
こんにちはYamataiです。
エリック・クラプトンのどの曲が好きか?あまりにも多く考えたことがありません。実はクラプトンですがその長いキャリアの中で実に多くのカバー曲があります。
例えば、J.J.ケール、ボブ・マーリー、ジミ・ヘンドリックス、ボブ・ディラン、エルトン・ジョン、ジェームス・テイラー、スティービー・ワンダー、ロバート・ジョンソン、B.B. キング... 変わったところではYMOなど...
まぁーよくもこれほどの... キャリアが長いので当然ですがクラプトンほどカバー曲を多く採用した人も珍しい気もしますが...
身びいきですがオリジナルを超える、違った魅力を醸し出している名演も多いと思います。
思い起こせばクラプトン初心者の中学生の時分にはやはりこのことが気に掛かってしまいました。クレジットを見てはぁーとため息をつく。この人、自分で良い曲作れるのになんで他人の曲を歌うのだろうか... ひょっとして...
色々余計な心配をしたものです。やはりレノン・マッカートニー、ジャガー・リチャードとオリジナル曲を作るアーティストが最高であると刷り込まれていたのだと思います。
そんな頑な考えが完全に取り払われたのは結構、最近かもしれません。やはりジャズを聴くようになってから音楽に対する間口が結構広がったような気がします。ジャズは名曲でなく名演なのだとよく言われますが... ジャズ以外の世界でも同様ではないかと思います。
そう思い直し音楽を聴くとクラプトンのカバー曲、結構、魅力を感じたりします。なんか適度に力が抜けていて良い感じに聞こえます。
長い前振りでしたが本題です。今回取り上げるのはカバー曲でもシングルヒットしたりした有名なものでありません。"May You Never"という伝説の英国のシンガー、ジョン・マーティンの作品です。ロック、ブルーズ、ジャズの要素をいち早く取り入れた、大変、才能に溢れたアーティストでありました。2009年に60歳で亡くなっていますが40年以上にわたって21枚のアルバムをリリースしている凄い人ですが、なぜか、日本では馴染みが薄い人です。死の直前には長年の功績に対して大英帝国勲章が授与される予定だったそうです。
アルバム、スローハンドですがアルバム全体を通してクラプトンの脱力感が際立っている気がします。彼の作品には例外的にブルーズ曲が少なく前作の "There's One in Every Crowd"よりもまとまったアルバムであります。パティボイドに送った名曲"Wonderful Tonight"がこのアルバムに含まれます。
通のファンの間ではこのアルバム実は評価が低いらしいです。少ないコードでポップなお気軽な曲を集めた脱力した... クラプトンも地に落ちた... こんな辛辣の評価もありますが売り上げは悪くなかったようです。
アルバムの話はまたどこかでしたいほど実は好きなアルバムです。
さて"May You Never "、この歌詞が誰に宛てているのか今ひとつわからない?解釈の幅が広いというか?ちょっと解明したくなります。
曲調は心地よいテンポのG. F. C. Amと基本4つのコード素直な曲であります。このシンプルでありきたりなコード進行の曲をクラプトンにふさわしくないと思った人も多いようですが... 確かに即興的に延々と激しいギターソロを演じていたクリーム時代とは真逆の感はありますが...
ちなみにこの曲、クラプトン以外でもこんな人たちが...
ロッド・スチュアート
クラスにいても友達にならないタイプの筆頭ですがマギー・メイは好きです... 思い出すと、あれれ彼のLP何枚か持ってたなぁー 最初のジェフ・ベック・グループのヴォーカリストでありました。個人的にはLed Zeppelinよりも無骨で荒削りな音で好きでしたが... 時代は...
ポール・コゾフ
こちらも伝説のフリーのギタリスト、ポール・コゾフのカバーというかジョン・マーティンこと共演してます!と言ってもほぼ伴奏だけです。
さてMay You Never、クラプトンがどのような経緯でカバーしたのか... あまりここら辺の情報はないですね... 知る限りでは... 当然、相当気に入っていて自身のアルバムにまで入れたと思われます。
あえてシンプルな4コードの曲をカバー、アルバムのタイトルはかつて神と言われた時代につけられたニックネーム、スローハンド(手の動きが早すぎて遅く見えたと言われている伝説)... この当時のまだ尖ったギタープレイを期待する向きに対してクラプトンなりの答えだったのかもしれません。