Younger Than Spring Time - おすすめJazz Standard
こんにちはYamtaiです。
金曜日は興味本位でJazz Standardを取り上げていますが今回、引き続き春しばりでYounger Than Spring TImeです。
邦題は"春よりも若く"です、多くのスタンダード曲と同様ブロードウェイ・ミュージカル、南太平洋で使用されている1曲です。
Yout Tube動画はフランク・シナトラです。途中からスタジオに入ってきた女性は娘のナンシー・シナトラ です。最後の録音テープを一緒に確認するところなど娘を持つ親として羨ましい限りです。
Frank Sinatra records Younger Than Springtime ◊ 1967
さてさて、このような甘い旋律がJazzプレイヤーたちにどのように解釈され咀嚼されたのか?それがJazz Standardを聴く楽しみであります。最初にご紹介は渋線でアート・ファーマーです。アート・ブレイキー、アート・ペッパーとアートという名前が多いですかね?
アート・ファーマーといえば渋い抑揚の効いたプレイで定評がありますが同時代の活躍した神、マイルス・デイビスが薬物中毒で自らの商売道具、トランペットを売ってまでドラッグに嵌っていた時代、自らのトランペットを快く貸してあげていたというエピソードなどもあります。アーティストとしてありがちな破天荒なところが全くない極めて実直な人物であったようです。その性格はプレイにも表れていて、ある意味トランペット奏者でありながらしっとりとした抑揚なあるスタイルであり多くの天才トランペッターたちと一線を画します。アート・ファーマーの"Younger Than Spring Time"、心に滲みます。
次は巨匠、オスカー・ピーターソン。アート・ファーマーとは対照的に前に出るタイプのピアニストです。やはり聴くだけでオスカー・ピーターソンと分かるくらいの個性を放ちます。嫌いではありません。基本的に暗い系のピアニストが好きなのですがオスカー。ピーターソンは例外的に良いと思います。まったりしたくない時、聴くと良い感じです。
次はややマイナーな線でルイス・ヴァン・ダイク。オランダの至宝と言われているピアニストです。なぜかCDを持っていて、あまりに熱心に聴かなかったのですが最近、改めて聞いてみて良さが分かるようになりました。ポップスからジャズ・スタンダードと幅広くカバーする作品も多く、そのプレイはオスカー・ピーターソンのYounger Than Spring Timeとは違う趣ですね。
最後はスタン・ゲッツ。テナー・サックスの巨人。村上春樹のデビュー2作目、"1973年のピンボール"で主人公がJumpin’ With Symphony Sidを口笛で吹く場面があるのは有名ですが。スタン・ゲッツに関する講評は村上春樹の"ポートレート・インジャズ"をよろしければご参照ください。
今週はだいぶ暖かくなりましたが冬物をタイミングもそろそろでしょうか?週末は忙しくなりそうです... Jazz Standard関連過去記事もお時間あればご覧ください。