レコードをめぐる冒険

ジャズを中心とした中古レコード購入記録

Life Shift を読んでみました

こんにちはYamataiです。

今日は真面目に読書感想文です。

年末から知人に借りていた本です。

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

昨年随分と話題になっていましたが今更、読んでおります。

正直、身につまされ過ぎて読み終わった後、気持ちがドーンと下がりました。

 

内容としては... 

従来の3ステージの人生(教育・仕事・引退)が崩壊している。

 

つまり、勉強する時期=学生、社会人=働く時期、老人=リタイアする時期が成り立たなくなるだろう。

その前提で3人をモデルケースとして必要な生き方を提言します。

 

その3人は...

ジャック 1945年生まれ

ジミー 1971年生まれ

ジェーン 1998年生まれ

 

このジミーが私の年齢、境遇も近いのですが中々考えさせてくれます。

 

ジャックはいわゆる従来の3ステージを送る人生、ジェーンに関してはエクスプローラーとして自分探しに費やす時間が長く多岐にわたる出来事を経験する人生として描かれています。

 

ジミーの世代、つまり私の世代では1つのスキルで生き抜くことができないほど世の中の流れが速くなり、機械化、AIの進化がさらに後押しをする。

実際、我々の周りでも終身雇用、年功序列はすでに崩壊していることは実感してます。

 

ジミー世代では一生のキャリアの中で新たなスキルに対して投資する事は必須であり、さらにリスクを覚悟し起業を見据えたキャリアも勝つカードとして提案されています。

 

とにかくこのまま人生を送ることのリスクに対して警鐘が鳴らされている... 

 

グラットンさんのご説、ごもっとも... 

 

大学1年の最初の授業で教授から冒頭に言われたことをふと思い出しました...

お前ら受験が終わってホッとしているだろうが今度は就活、会社でノルマ、人生でゆっくりできる時間なんぞはないんだぞ...

 

これを聞いた時、やれやれと思ったのですが確かに大方、正しかったのですが少し人とは違う道を辿っていますが今、ジミーと近似した地点に立っています。

 

さらにキツイのが本の帯にあるフレーズですね...

こんな生き方をしてはいけない!... 休日をレクリエーションに(娯楽)に当てる。

本書ではレクリエーションでなくリクリエーション(Re-Creation)に注力すべきだと... 

 

ついに休みまでもが取り上げられてしまうのです。

 

ジミー世代は3.0シナリオ(従来の人生パターン)でなくレクリエーションにより3.5、あるいは4.0シナリオを目指すべきだということです。

 

またお金に換算出来ない見えない資産(生産性資産、活力資産、変身資産)に対してもバランスよく投資(意識)することが提案されています。

 

いわゆる従来型のジャックにおいてもこの3つの資産のバランスが悪いと指摘されています。目に見える金銭資産に偏り、勤労期間中の無形資産への投資が十分でないということです。

 

いわゆる定年後、寂しく孤独になりがちな日本の企業人が浮かんできます。

 

本書、400ページ近く、示唆に富む良書であることは確かですが(いきなり上目線ですが)読んだ後、正直、爽快感を持てる人は少ないと思います。

 

ではどんな人が読むべきか?

  • ジャック世代、企業で出世を極め、家族との結びつき、有効な人的ネットワークもすでに構築している方(本書の内容すでにカバーしている凄い人であれば今更何を... と言いながらニヤリとできるでしょう)
  • ジミー世代で岐路に立っているが既に十分に稼ぎ金銭資産に問題のない人。本書で自分に足りない部分を認識できる。
  • ジェーン世代の子供を持つ親御さんであれば、これからの世代にとって画一的な教育が必要でないことがわかり無駄に教育費をかけずに済むかもしれない人。
  • ジミー世代で薄々、このまま会社にいてはまずいと感じている人。
  • ジェーン世代でこれからの世の中に対して好奇心がある人(自分の親のようになりたくないと思っていたりしても本書を読めば、そうなりようがないとわかる)

 

また、特に国の政策にかかわるような人たちには本書(特に終章、変革への課題)に描かれている社会の到来に向けて是非、教育期間、企業の変革を推し進めてもらいたいものです。

 

しかし本書では再び、グラットン先生、この変化の担い手は我々なのだと... 

 

2017年、いきなり先生に怒られたような気分です...

怒られ足りない方、こちらもどうぞ!